ブックライティングの進め方〈3〉|粗原稿を書く(原稿マラソン1周目)

ブックライティングの進め方〈1〉ブックライティングの進め方〈2〉の続きです。今回はようやく原稿を書いていきます!

CONTENTS

3-1 項ごとに原稿を書いていく

さて、いよいよ執筆作業に入ります。

前回再考した構成案にしたがって、1章1節の「1項」から順に原稿を書いていくわけですが……。いきなり文章をタイピングしたりはしません。前回の作業で構成にあわせて資料を振り分けてあるので、まずはそれをざっと読み、この項にどんなネタが入るのかを把握します(前回の作業から日があいていたりすると、内容を忘れていることも多いので)。

次に、「このネタはこの項で確実に使う」と思った箇所を、赤ペンや蛍光ペンで囲みます。そして、この囲った部分をどのような順番で並べるのかを考え、並べる順に①、②、③……と番号を振っていきます。

ここでようやく、タイピングスタートです。赤ペンや蛍光ペンで囲った箇所を、上の段落で振った①、②、③……の番号にしたがってタイピングしていきます。資料はテープ起こしだったり、参考書籍のコピーだったりして文体はバラバラなので、ある程度統一しながら書いていきます。タイピングせず、音声入力することもあります(腕の体力の節約のため)。

なお、一つの「項」がある程度ボリュームがあったり、資料が多かったりするときは、資料に番号を振る前に、簡単な構成をつくって話の流れを整理することもあります。

前回つくった仮の構成案を例に説明すると……。

1章 いまなぜ、ダイエットが必要なのか
└ 1節 肥満の人が増えている
 ├ 1項 「肥満」の定義
 ├ 2項 「肥満」に該当する人が増えている!
 ├ 3項 「隠れ肥満」に要注意
∟ 2節 肥満は万病のもと
 ├ 1項 肥満が関係する病気①高脂血症
 ├ 2項 肥満が関係する病気②糖尿病
 ├ 3項 健康寿命を延ばすならダイエットが不可欠!

2章 ダイエット成功のための食事術
∟ 1節 そもそも人はなぜ太るのか
 ├ 1項 太る原因①カロリー
 ├ 2項 太る原因②糖質

構成案は上記のようになっています。この1章1節1項の部分に、

・「太っていると」と自覚している人は多い
・しかし、「太っている」の定義は人それぞれ
・最近は「少し太っているくらいが健康だ」という説も
・また、日本では「やせ願望」が強く、太っていないのに「太っている」と感じる人も
・医学的な定義でいうと…
・ただし、BMIの数値だけでは肥満度ははかれない

みたいな感じで、話の骨子を箇条書きにします。

そして、資料のなかから骨子と合致する箇所を探して、骨子にあわせて原稿にしていきます。骨子を肉付けしていくイメージです。

3-2 細かいことは気にしない。とにかく完走する

この段階では、文章が多少おかしくても気にしません。「この段落がどうしてもうまく書けない」というような箇所があれば、うまく書けない理由や引っかかっている原因などをメモだけして、次の段落に移ります。表記の統一もあとまわしです。

もちろん、この段階で完成度の高い原稿を書ければそれに越したことはないのですが、あいにくそこまでの腕はなく、文章の質にこだわっているとなかなか先に進めません。したがって、この段階では「粗原稿でOK」と割り切り、最後まで(または、内容的にきりのいいところまで)書くことを優先しています。

最初からいきなり書かず、書きはじめても「文章の質」はあとまわしにする――。なんともまどろっこしいスタイルですが、これには一つ、大きなメリットがあります。執筆のハードルが下がるのです。

好き好んでこの仕事をしていますが、原稿にとりかかる前は正直、気が重くなります。
「このボリュームを果たして書き終えられるのだろうか」
「〆切りに間に合うだろうか」
そんなプレッシャーやら不安やらと向き合いたくなくて、必要以上に資料を探してみたり、ネットサーフィンしたりして、現実逃避してしまいます。

けれど、「項」という単位で考えれば、それほど文字数は多くありません。「とりあえずこの項だけでも書くか」と思えます。そうやっていったん取りかかってまえば、興がのって一気呵成に……! なんてことはありませんが、まあ、やらないよりはましかな、という程度には進みます。

そして、一度書きはじめると、脳のどこかが原稿書きモードになるようで、原稿を書いていないときでも「1章は2節と3節を入れ替えたほうがいいかも」とか、「あの段落のあの文章は●●●と言い換えればいいんだ」とか、いろいろな考えが浮かんできます。そうやって思いついたアイデアがあれば実践してみたくなるのが人のさがというもので、原稿に比較的前向きに取り組めるようになります。

ちなみに、ブックライティングを周回マラソンにたとえると、粗原稿を書いている段階は、私のなかでは、原稿マラソンの1周目です。1周目をなんとか走り(書き)終えたら、一度祝杯をあげます。それから、自分で自分に鞭を打ち、2周目を走りはじめます。

NOTE
4月は一度も記事を更新できませんでした。反省。